IT業界で派遣として働く「IT派遣エンジニア」は、「やめておけ」と言われることが多いのですが、実際将来性がないのでしょうか?
そこで、IT派遣として働くエンジニアの働き方の仕組みと、メリット・デメリットも含めて見ていきましょう。
IT派遣エンジニアの仕組み
まず、IT派遣エンジニアとは、派遣契約をしてエンジニアとして働く雇用形態のことを言います。
派遣契約について簡単に説明すると、まずは派遣会社に登録をします。
そこで自分の条件に見合った仕事を紹介してもらい、紹介された企業で派遣社員として働くことを言います。
実際に仕事をするのは紹介された派遣先になりますが、お給料の支払いや雇用契約を結ぶのは、登録した派遣会社となり、雇用先と派遣先が異なるのが特徴です。
IT派遣エンジニアとして働く
IT派遣エンジニアとして働く場合、どのようなメリットとデメリットがあるか見ていきましょう。
メリット
- 自分のスキルに見合った仕事をすることができる
- 契約内容以外の仕事を任せられることがない
- 基本的に請負契約ほど残業させられることはない
- いろいろな会社を経験することができる
- 自身で会社の面接や交渉をしなくても良い(派遣会社が仲介人)
これらがIT派遣として働くメリットかな、と思いますが、考えようによってはデメリットに聞こえる場合もあります。
例えば、自分のスキルに見合った仕事ができる=それ以上のスキルを習得しにくい。という考え方にもなるわけです。
向上心があり、自分のスキルを仕事を通じてあげていきたいと考える人にとっては、正直物足りなさを感じるかもしれません。
しかし、その反面いろいろな企業に入りITエンジニアとして仕事をすることで、その会社でしか得ることのできない経験をすることが可能です。
まさに一長一短ですね。
デメリット
- 雇用の安定性は低い
- 雇用形態によっては賞与や退職金が発生しない場合もある
- スキル不足や年齢によっては仕事がない場合もある
やはり派遣社員の1番のデメリットは、正社員に比べて雇用が安定していないということかもしれません。
2015年に派遣法が改正され、「派遣社員は同じ派遣先の同じ部署で3年以上働くことができない」ということになりました。
なので、3年経った時点で、3つの選択肢を迫られることになります。
- 派遣先の所属部署を異動をする
- 派遣元に無期雇用してもらう
- 派遣先に直接雇用してもらう
この3つの中から選択するのですが、派遣先にも派遣元にも受け入れが困難となると、契約解除という可能性もあります。
そういった面では雇用の安定は正社員に比べると低いですよね。
IT派遣エンジニアの将来性は?
長く働こうと考えている人にとっては、ずっと派遣社員で働くというのは正直将来性がないといっても過言ではないと思います。
しかし、今後独立や起業を考えていたり、のちのちのスキルアップのために経験を積みたいと考えている人にとっては、2~3年をIT派遣エンジニアとして過ごすのも悪くはないと思います。
将来ビックになるための通過点として派遣社員で働くのはアリじゃないでしょうか。
自分のスキルに見合った仕事を仲介人である派遣会社が探してきてくれて、それに自分が合意できれば仕事が成立するので、自分の嫌な仕事は受けなくて良いという面もあります。
※あまり選り好みをしていると仕事がなくなる可能性もありますが…。
また、比較的常駐請負としてエンジニアで働くよりは、勤務時間管理がされてるので残業も多くありません。
プライベートの時間を作ることができるので、スキルアップを検討している人はその時間を使って勉強することも可能ではないでしょうか。
IT派遣エンジニアの年収
IT派遣エンジニアの年収は約290万~480万円ほどといわれています。
基本的に派遣社員として働く場合は時給で計算されることが多く、時給単価は1,400円~2,500円と言われています。
時給に換算すると、比較的高いようにも思えますが、派遣社員として雇用されている場合は、賞与や退職金がこの時給に含まれているため、別途発生しないケースが多いです。
そのため、月々発生する給与は比較的多いように感じますが、年収にしてみると正社員よりは少なくなってしまいます。
経験を積むためとはいえ、同じ仕事をしていても正社員より給与が低いとなると、モチベーションは下がってしまうかもしれませんね。
IT派遣エンジニアは未経験者向け?
IT派遣エンジニアになるためには、経験者が優遇される傾向にあります。
ただし未経験でも採用される枠はありますので、ある程度のスキルが習得できていれば実運用は実際に派遣先で勉強していく、というのを採用している会社も実際にあります。
独学でプログラミングを勉強し、基礎を習得できていれば未経験でもIT派遣エンジニアとして仕事をすることが可能です。
派遣エンジニアとして経験を積んで、さらにステップアップしてフリーランスで働くなんていうのも夢ではありませんよ。