IT土方とは、IT業界の華やかなイメージとは逆に、悪いイメージの強い呼び名になります。
一体どのような人たちのことを指すのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
IT土方の意味とは?
IT土方(ITドカタ)とは、下請けから下請け、その下請けと多重請負構造の下の方で過酷な労働条件の元仕事をしている人たちを指します。
なぜ土方という表現が使われるのかというと、建築・土木業の世界でも多重請負の構造はよくあることで、下へ行けば行くほど長時間労働など、労働条件も過酷になることが建築・土木業と似ていることから、「土方」という表現が自虐的に使われいます。
「デジタル土方」、「コンピュータ土木作業員」などと呼ばれることもあります。
IT業界の華やかなイメージとは裏腹に、過酷な環境で仕事をしているプログラマーもいるんですね。
大手の企業になればなるほど、仕事を派遣会社に委託する → 委託された派遣会社はさらに別の派遣会社へ委託する・・・というように、1つの開発作業でたくさんの派遣社員や請負社員が関わることが当たり前のようになっています。
そして、その末端で仕事をしている作業者へ、どんどん仕事の負荷がかかっていくという悪循環が発生します。
実際にそんな環境で働いていたプログラマーたちが、2chで不平不満を爆発させたことにより、IT土方(ITドカタ)というキーワードが広まりました。
IT土方の年収
一般的にIT業界のプログラマー20~30代の平均年収は400万円~500万円といわれています。
それに比べてIT土方(ITドカタ)と呼ばれる人たちの年収は100万円~350万円です。
同じプログラマーでも年収に300万円も差があるなんて、信じられません!
しかも、IT土方(ITドカタ)となると、年収の上限は多くても450万円程度といわれていますので、どんなに長く勤めていたとしても年収が上がることはありません。
結局、大手の企業になるとプログラムを開発するだけでも色々な事務作業が必要になります。
- クライアントとの基本契約書
- 要件定義書やシステム設計書の作成
- 見積書や工程の作成・管理
- プログラムの設計・開発
- 納品書・請求書の作成
- 下請け業者の管理
など、1つのプログラムを開発するのに、たくさんの事務作業が必要になります。
「プログラムの開発」以外は、プログラマーの仕事ではなく事務員さんの仕事ですよね。
プログラマーとして入社しても、これらの事務作業をやらされることになり、結局事務仕事では出世や昇給が難しく、そのまま定年・・・なんていうことも考えられます。
ITデスマーチとは?
IT土方について調べていると、ITデスマーチという謎のキーワードにたどり着いた人もいることでしょう。
デスマーチとは、「死の行進」という意味で、IT業界で「ITデスマーチ」というと、深夜に及ぶ残業や、連続での休日出勤、余裕のない納期スケジュールでほぼ休みなく働き続ける状態のことを言います。
ブラック企業だと、月の残業時間が100時間を超えるのも当たり前というから驚きです。
このような過労の状態が続けば、心身ともに疲れ果てて、体調を崩したり神経を病んでしまう人も多くいることでしょう。
万が一、このITデスマーチの環境になってしまった場合、抜け出す方法は1つ。
転職するしかありません。
正直、ITデスマーチのような環境で仕事をさせる会社で、実力をつけたりスキルを身に着けても、発揮できるとも限りません。
1番は手っ取り早く、転職して環境を変えることだと思います。
IT土方から転職する
無限に続くITデスマーチや、IT土方の過酷な環境から脱するには、転職するのが1番早い方法です。
IT土方で苦しんでいる間は、どこへ行っても同じと思うかもしれませんが、IT業界はとても特殊で高低差の激しい職種でもあります。
華やかで働きやすい会社というもの多くあります。
もちろん、プログラマーの技術を持っていればフリーランスとして働くことも可能です。
プログラマーについて悪い印象があるのも事実ですが、環境によってはとても働き甲斐のある夢のある仕事でもあります。
ITデスマーチの負のループに巻き込まれていると感じたら、覚悟を決めて転職することをお勧めします。
もうプログラマーの仕事は疲れたよ・・・という人には、以下の記事も参考になるかもしれません。